ミニットメンの後光は今も消えていないということ

アメリカで、最高にクールな、独創性あふれる、オリジナルなバンドっていったいなんだい?

と聞かれたら、一瞬、televisionかな、と一息置いて、やはり、ミニットメンだろう、と答えるかもしれないと思った。

そもそも、なんのきっかけで、ミニットメンなんてバンドを発見したのか、記憶にない。ただ、次から次へと現れる、なにかの焼き増し、二番煎じのような音楽を聴くような、リスニングではなくて、現代シーンに影響を与え続けているオリジン(起源)を探ってゆくような、古典へ帰ってゆくようなロックの聴き方のほうが良いのではないか? と、ふと思ったのだ。それはニルバーナにおけるピクシーズだとか、ホワイトストライプスにおけるツェッペリンだとか、オアシスにおける、アニマルズだとかセックスピストルズ、あるいはビートルズ、アーケイドファイアにおけるジョイディビジョンとかニューオーダーみたいに、起源をさかのぼってゆくと、外しがないし、歴史をもっと深められる。そうして、今の音楽も相対的に聴こえるし、頑固おやじが「こんなの○○のパクリ!」って言いたくなる気持ちも、少しは理解できるようになる。

さて、自分は、pavementが好きだったのだが、無論、影響下にあると思われるバンドがある。いや、というか90年代以降のusオルタナティヴの「ほとんど」と言っていいくらい(おそらく、レッチリ、ソニックユース、オルタナカントリー全般、現代ではvampire weekendまで? いや、もうなにからなにまで、もしかしたらミニッツメンの遺伝子を、アメリカの現代バンドは、どこかで受け継いでいるのではないか?というくらいに、偉大な存在となっている)に、後々に、影響を与え続けているバンドが、ある。

それが、ミニットメンだ。

おすすめのアルバムは、↑なのだが、なんと、曲数40以上。しかし、その曲の大半が、1~2分だったりする。高速のリフ、変則的なギターなどを展開し、D・ブーンなる肥ったおっさんが軽快に飛び跳ねながら、歌う。それだけの絵面で、人によったら、拒絶反応があるかもしれない笑


カントリー・ジャズ・ファンクなど、なんでも感でもぶち込んだ、高速のパンクロックで、一聴、難しいこともある。これが、一筋縄ではいかないusオルタナ・ミクスチャーロックのはしりともされている。実際、あれ? これって、あのバンドサウンドに似てないか? と思わせるところも多々ある。ファスト・パンクとも形容される疾走感と、ちょっと小難しいテクニカルな部分、アートなところ、どことなくインテリ?な気もするけど、とてつもなくバカに見えるところ、いかにもインディ好みのところだが、80年代は、映画のサントラやremとの共演などで、一世を風靡しかけて、なんとヴォーカルが、「愚か者のクラブ」に仲間入り(実際は、事故死)するのであった。その筋書きだけでも、「伝説」といってもいいのだが、別にヴォーカルが死んだから、伝説とかではなく、実際、このバンドを崇拝するアーティストは後を絶たない。ミニットメンを特集するDVDなども出ているようで、より深く知りたいのであれば、それを見れば、いかに、彼らに影響を受けていたのか、ということを語る既存アーティストたちの熱量を伺い知ることができる。

私の好きなWilcoの前進である、アンクルトゥーペロも、ミニットメンがカントリーとパンクロックという折衷があってこそ、存在していたことを、改めて知ることになる。

この若干アヴァンギャルドともとれるジャンクな雰囲気、そしてカントリーな田舎くささの中にあるパンクロックにヤラれる人は多数いる。自分もその口だ。後に、晩年、この人は坊主になるのだが、一瞬、ピクシーズか?と思えるくらいだ。無論、ピクシーズも彼らに影響を受けているのだ。

さて、ロックというと、現代の類似サウンドをめぐる聴き方に終始する人もいるだろうが、現代ほど、ロックというジャンルの飽和の時代もない。

こうした折に、自分の好きなバンドは、どういった音楽を基に成り立っているのか、と「親探し」してみるのも、悪くはないとは思うのだが、いかがであろうか?


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