ローレル・ヘイロー laurel haloについて

現在、2018年にもなったが、去年、唯一、ピンときたのが、ローレル・ヘイローの、dustだった。

もともと私は、idmというジャンルが好きで、エレクトロニカ・ダンスミュージックはそこそこ聴いていた。その延長線上に聴ける。つまりインディロック・オルタナティヴ経由でIDMに目覚めたリスナーが、現在でも、いるのなら、このローラルヘイローも十分射程圏内だと思う。

インテリジェントダンスミュージックって、なんだよ、って話だが、いわゆる踊れないダンス、踊らないダンスのことだろう。頭で聴くような、批評家筋とか、マニアックなウケのよい音楽なのだが、基本的にメロディアスではない。90年代だったかな?その当時、ダンスフロアでドラッグが流行って(レイヴシーンってやつか)、そういうとき、ダンスするとハイになっちゃうからダンスが規制の対象になったときもあったとか。音楽自体の規制がかかったときをきっかけに、「踊らないダンス」っていう相反する音の要素を才能ある方々が結集して、発案したのが、IDM。インテリジェンスな人が作ったとか、そういう人が聴くとかいうけど、まぁ、ナードでもダンスを聴ける、作れるっていう、ダンスミュージックのマンネリを不可抗力で生み出していった経緯があるとかないとか。そこらへんは、各自・調べてください。以下参考まで



インテリジェント・ダンス・ミュージック(Intelligent dance music)は音楽のジャンルの一種で、英語表記の頭文字を取ってIDMと呼ばれる。 必ずしもダンスフロア向けではない、独特で幻想的なリズム、メロディーラインが特徴である。また実験的な要素も強く、ヒップホップやジャズ、さらにクラシック音楽などの要素を取り入れるアーティストも存在する。ワープ・レコーズがAIシリーズをリリースした1993年頃から、ポストレイヴサウンドの一つとして注目された。初期のIDMはワープがAIシリーズを終わらせた1994年で一旦落ちつくが、PCの進化などで打ち込み環境が大きく向上した1999年頃から2005年頃まで、再び活発となっていた。 また主にIDMをリリースしているレーベルとしては、Merck、n5MD、Sending Orbs、Schematic、Skam、Planet Mu、Tigerbeat6などが挙げられる。




さて、ローラル。

カットアップの手法やサンプリングを駆使し、音の断片を散りばめるという作業を繰り返し、音の粒子(dust)を散りばめ、それでもなお、ヴォーカルを入れて、若干、歌物としての体裁を放っているというそのバランス。ときに、シンセ・ポップ、ソウル、ファンク、ブラックな要素、アフロ、ジャズ、エレクトロニカ、idmなどの要素が、エレクトロニカ・ダンスという大枠に落とし込んである。もう、下手したら、闇鍋であろう。

別に、特別、難解とかいうわけでもないような、同年に発表された坂本龍一のasnkに較べたら、まだだまダンス・エレポップって感じで、聴きなじみやすい。いわゆるサブカル系とか、ボカロ好きのエレクトロニカ勢にも聴きやすい。結局、ポップセンスってやつが、彼女にも、やはりあるわけです。バランスがよいんですよね、いろんなジャンルの音楽に対する掻い摘み方、折衷具合が。イケてるダンスフロアっていう趣も、「ちょいオタ」っぽいノリも、ほどよくて。間口が広いんだよね。意外と、誰でも聴ける音楽なんじゃ、って思えてくる。

ビールとかコーラとかサイダーのシュワッとした炭酸の粒とか、西日の射した部屋の中に舞う埃を見るような楽しみが、ローラルにはあると思う。2017年では、ベストアルバムのうちに選出されているよではある。個人的にも、良かった。まぁ、完全1位ぶっちぎりとかないけれど。一番、印象に残ってるし、「語りたい」って気持ちに唯一させてくれたのが、この人ってだけだ。

で、重要だと思われるのは、こういったダンス・エレクトロニカって、基本、「声」が入ってないんですよね。大体。俺も、ヴォーカルはあまり聞きたくないのだけど、この人の場合、その「声」も音の要素(エクスペリエンス)になっていて、良いんだよね。声も音の粒子(dust)になっていて、一定の主張、メッセージもあるんだけど、声も音として楽しいわけだ。

2017年になると、ダンス・エレクトロニカも、完全飽和で、新しい地平ってのも、あんま感じられなかったし、というか、この時代に新しいとか古いとか、音楽のリソースが完全飽和している中で、真に新しいとかないんだろうけど、新鮮だったかな。ただ、あまり驚きもなかったけど、正直に言ってしまうと。とはいえ、良い音楽でした。音を楽しむっていう、和音とかコード進行に浸るようなメロディアスな要素だけが、音楽っていうわけどもないってのは、結構、大事だと思いました。以上。

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