Broken Social Sceneは、クセになる
巷には、スルメっていう概念があるらしい。一聴して、分かりずらいけれど、何度も聴いているうちに、味が染みてゆく。それがスルメってことらしいが、Broken Social Sceneは、まさにそんなところだろうか。たしかに、wikiだけを参照すると、インディー・ロック ドリーム・ポップ バロック・ポップ ポストロック シューゲイザー アート・ロック エクスペリメンタル・ロックとある。
実験的要素というと、それだけでも、無数なわけであって、独特の分かりにくさ、そしてオルタナ特有といってはなんだが、形容しがたく、情報量の多い音楽、しかもメンバー総勢20人近くもあったという、バンドなのか、なんなのか、最早、不明だ。とはいえ、一応、ロックなのだろうけれど。
カナダという出自で、アーケイドファイアと似ているところがあるとすれば、そのメンバーの群像劇のような集まりだろうか。とにかく、バンドとかロックという形式の常識を打ち破ってくる。アート、ポストロック要素の強い、実験音楽を加味した、アーケイドファイア。なんだか書いているだけで疲れそうなバンドだ。
歌物として、まだわかりやすいアーケイドファイアに較べると、実験性とか、ウィスパーなヴォーカルも多く、場合によっては、歌詞もなかったり、とにかく、なんでもアリ状態だ。可能な限りをそこに詰め込んで、聴くものを飽きさせない。たしかに、スルメのように、長く、じわじわと味わえる。
そういった彼らのアルバムの中で力作だと感じるのは、やはり、以下のアルバム。
7/4というわりと聴きやすいヒット曲もあったりするが、全編21曲で、さらに、曲も、掴みずらいところ。ポストロックって、流れに身を任せて聴くようなことが多いけれど、この実感って、トータスを聴いたときと似てると思う。
usのロックって、21世紀に入ってゆくと、大まかにポストロックの流れと、フォーク回帰みたいなのがあって、BSSは、全部入りなんだろうな、って。usオルタナが、全部、やりたいところを、メンバーをとにかく集めて、表現したいことを、徹底的に詰めんだ、ということ。ヴォーリューム満天すぎる弁当だ。
それにしても、21世紀のアメリカロックって、表現が豊かだなぁって思う。
洋ゲームもオープンワールドなんて、当たり前になってるけど、音楽も、なにからなにまで、全部表現しきってやろうと、しかも、それをちゃんと纏めるってのは、なかなかできないと思う。
海外の人って、ほんと空間恐怖症のように、なにもかも埋め尽くすようなごちゃごちゃして、ランダムでカラフルな表現するけれど、実際、BSSも、そうだな、って思う。
ただ、BSSは、大味にならず、ミニマルというか、仔細な音作りをしていて、そこがツボだと思う。これだけの大所帯だと、シンフォニックなバンドって感じになるし、アケファイは、実際、そうなってるけど、BSSは、あくまで、音を楽しむ。それに尽きる感じでした。
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